研究チーム紹介~認識編~

こんにちは,学振研究員の村尾です.

今回は塚本研究室の研究内容を紹介しようと思います.
つかけんにはいくつか研究チームがありますが,その一つの認識チームについて.

認識チームでは
・センサを用いて現実世界をサンプリングして数値化したり
・サンプリングした値を意味ある(解釈可能な)データに変換したり
・データを解析してコンピュータに現実世界を認識させたり
・認識させた情報を使ったアプリケーションを構築したり
しています.

色や明るさ,温度,音,動き,距離,においなど私たちの周りの情報をセンサによって数値化することができます.たとえば,温度ならその値を見て35℃の屋外に何時間もいればアラートをだしたりできます.しかし,温度のように値そのものが意味をもつ情報と音や動きのように1つの値だけではあまり意味のない情報もあります.

そこで値を時系列で扱い,解析することで意味のある情報にします.簡単なものだと差をとって変化量を見るだけでもわかることがあります.ほかにも平均や分散や周波数空間に変換したり,データをまとめて次元数を下げたりいろいろあります.これを前処理と言いますが,既存手法よりも高分類精度であったり低データ量であり手法かつ斬新である前処理の方法を考えればそれは研究です.ごちそうさまです.
これは分類精度を維持しつつ低データサイズを実現した前処理手法です.簡単に言うと波形の山を矩形に置き換えています.矩形の形から人の動きを認識します.生のデータを送るより1/10ぐらいのサイズでいけてしまうのです.詳しくはこちらを.

前処理が終われば,そのデータが何のデータかを認識します.これには機械学習を用いるのが一般的です.k-NNやSVM,HMM,C4.5,Bayes,DTW,Boostingなどいーぱいあります.が,基本的にこれにはこのアルゴリズムを使うんだという定石はありません.現在はこれらを組合せた高度な認識手法の研究を行っています.細かく書くと数式がいぱーい出てくるので.

ここまでやるとコンピュータは現実世界を認識できます.たとえば,人が○○したとき,コンピュータはそれを理解します.しかし,このままでは「だから何だ?」となります.コンピュータが理解しただけでは私たちはおいしくありません.(研究成果になるという意味ではおいしいですが,そのおいしいではありません)
そこで,その理解した情報をもとに何をするかを考えるのです.アプリケーションです.ただ単純に貯めておくだけでも後からそれを見れば何してたかわかりますし面白いですね.
でもそこから,働きすぎとか寝すぎとか注意することもできます.ジョギングならペースが落ちたり,トレーニングなら腕がヘンとかも注意できます.もちろんゲームなんかにも使えますね.でもまだまだ町中みんなが使おう!というものはできてないですね.頑張らねばいけません.これぞ!というアイデアの持ち主のがいれば是非それを実現させてみたいですね.

簡単ですが,認識チームの紹介でした.